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いろんなことがありすぎ君

2014.01.28 13:43|雑感
今日はシフト上で休みなので大手を振って休んでいます。
本当は、休日出勤をして事務仕事をやっつけたほうが
後々楽なんだろうけど、気持ちがべったりと
黒い泥水を吸い込んだスポンジのようになっているので。
精神的に「詰んでる」感じ。
まぁ、8連勤が効いているのだろうけど・・・

先週の土日がが、いろんなことが、ありすぎ君だった。
土曜日、新しく入った利用者さんが倒れ。
嘔吐繰り返し、血圧が60きって、意識不明に~
すぐに救急車を呼んで!
ところが運ばれた病院でなんと「脱水」と診断されて
点滴一本で帰ってきたのだけど、まだ嘔吐繰り返し
反応鈍く、他の病院にまた行って、そこでは「尿閉」
(尿が出なくなること)とか言われ、下腹部に管を通して帰ってきた。
ところが・・・翌日曜日に私が出社すると大量の血尿が・・・
で、また、救急車呼んで、別病院へ。
診断結果、「横隔膜炎症、腎不全」
「非常に危ない状態でした。すぐ入院です!」

え~??なんで、最初の病院でわからないのよ・・・・。
何が脱水よ!尿閉よ!
危なかったのよ~!!

・・・と。こころで叫びながら。
それでも、ま、無事入院できてよかった、と思い・・・。
入院関係の書類やらご家族への対応やら仕事していたら、
「miraさん!緊急事態!!」の大声。
90超えてる利用者さんが掃除のおばさんの掃除機コードに
つまずいて転倒、すごく痛そうな顔してる。
「いた・・いた・・いたい・・」
やばい、これはやばい。やばいよ。
おたんこなーすに見立ててもらい、すぐに病院の救急外来を受診。
「右肩関節の骨折」
うっひゃー!事故だよ、事故!
その現場にいた職員の事情聴取して、書類を作り、
ご家族へ平謝りの電話を入れる・・・ああ・・・いやな仕事だ・・・。
痛そうな利用者さんを見ると、心が痛む。
なんで、防げなかったんだぁ・・・。

てなことやっていると、また、大騒ぎが。
なにがあったんだ?と思っておたんこなーすに聞いてみると。
(このなーすは利用者さんのことより職員のことに詳しい)
この転倒事故後、私が書類作成しているときに
社長がその場にいた職員全員に事情を聞き、
そして激しく怒ったそうだ。注意力が足りない!と。
利用者さんへの目配りが足りないから事故が起こったんだ!!と。
正論だと思う、私も。利用者さんがけがしているのだから。

もちろん、職員一人一人には、言い訳がある。
その時は手がかかる利用者さんを必死で対応していた~とか、
その時は雨が降ってきてあわてて洗濯物をしまいに行ってた~とか。
あるけど、社長には言わない。
「言い訳」でしかないことを知っているから。
痛そうにしている利用者さんを見て心を痛めているから。

でも、ある新人さんが社長に言った。
「私は悪くないです。私はその時○さんのトイレ介助してました。
その時ホールにいた×さんが悪いんです!」
それで・・社長が激怒してしまった。
そりゃそうだ。自分は悪くない、悪いのは×さんだ、なんて
反省のかけらもない発言だもの・・・。
「そういう反省がない態度だと、同じ事故を繰り返してしまう!」
新人さんは泣いた、泣きながら
「悔しい!なんで私が怒られるの?悪いのは×さんで私は悪くない!!」
と叫んで「もう、やめる!」と言いながら、帰ってしまった。

あーらららら・・・・。

で、次の日、その新人さんから電話があった。
「もう、やめたい。」というので、必死になだめる。
「でもね。みんな、怒られたんだよ。私も怒られた。どうして
人員が少ない時に事務仕事なんかしてるんだ!利用者さんの見守りが
一番大切だろ!って。みんな、怒られたんだよ。あなた一人じゃない。」
(本当に私も大声で怒られた。社長は激高すると止まらないタイプ)
「考えさせてください。でも、今日は休ませてください。」
だそうだ・・・。
ああ・・職員に気を遣うのも、疲れる。

私なんか、この仕事で、結構理不尽に怒られまくったから。
それ、私じゃないしーって思っても、
現実に事故は起きてしまったのだから。
それを防げなかったのは、ここの職員として、やはり、落ち度であって。
怒られて怒鳴られるのは当然だと思ってしまうし。
利用者さんや利用者さんのご家族から怒鳴られても
当然だと思うし・・・。

そうは、考えられないんだろうーなぁ。

新人さんの気持ちもわからなくないけど。
介護職なんて頭を下げる仕事なんだよな。
精神的に結構きつい仕事なんだよな。
(だから、せめて給料上げてほしいねぇ・・・)




反省するって難しい 2

2014.01.16 19:50|雑感
さて、この利用者さんが意識不明になる騒ぎの最中、
注射の介助を担当した同僚のKちゃんは
一度もこの利用者さんの顔を見に来ず。
もくもく淡々と仕事をし、「見たいテレビがあるから~」と
誰に謝ることもなく、時間が来たらさっさと帰って行った。
これに社長の奥さんと、処置をしていたおたんこなーすがキレた。

「ヒヤリハット、いや、事故報告をKさんに書いてもらう!」
社長の奥さんは、大声で言った。
「Kさんにはハートがない!ふつう、自分が担当した利用者さんが
意識不明になったら心配になるだろうに!!」
「必死になって処置をしていたナース達になんの言葉もないのか!」

Kちゃんはとても強い人だ。
理論武装で相手を負かすほどいつも自己擁護がしっかりしている。
Kちゃんの口癖は「私は聞いていない。私はそういう指示をもらっていない。」
だから、この件で社長から厳重な!!注意(つまりひどく怒られた)と
事故報告の書類の提示の指示があった時も
「私は部屋の窓から2回ほど寝ている利用者さんの状態を確認しました。
二人処置についているので人員的に私までかかわる必要性を感じませんでした。」
「夕食が遅れているという報告はこちらまで来ていませんでした。
いつものインスリン注射の時間だったので、注射をうつようにうながしました。
注射の時間をずらすような指示はもらっていませんでした。」
「看護師が医療処置を必死になってやるのは、仕事だからふつうだと思います。
大変だなとは思いましたが、普通に仕事していると思いねぎらいの言葉の
必要性を感じませんでした。」

等々・・・・

つまりは、「私は悪くない。そういう指示をしなかったそちらが悪い」
という理論をえんえんと始めた。
「書類は、書けというなら、書きます。が医療処置と発見時の状態は、
私は発見も処置もしていないので書けません。ふつう事故報告もヒヤリハットも
第一発見者が書くと思うので、発見した夜勤者が書くのが妥当だと思います。」
正論を振り回していた、そうだ。
そう、確かに、正論なのだ。
かなり情緒的ではないけど。

しばらくして、Kちゃんは私のところにきて愚痴り始めた。
「私だって、夕食が遅れていることを知ってれば、
注射うった後すぐに砂糖水を飲ませてたわよ。なんにも連絡もないのだから。」
でも、私がインスリン注射を担当した場合は、必ず必ず、絶対に
今、注射をうっていいタイミングかどうかを周りに確認する。
怖いのだ。インスリンがどんな薬だかを知っているから。

それで思い出した。Kちゃんがインスリン注射介助を担当して
利用者さんが大変な状況になったのは、前にもあった!!
Kちゃんは、その時も「そういう指示をしなかったそちらが悪い」と言い
全く反省していなかった、っけ。
同じミスをKちゃんは繰り返していた。

「やっぱり、Kちゃん、ヒヤリハット書いた方がいいよ。
こんなことがもう二度と起きないように。他の人が起こすかもしれないし。
Kちゃんがわからないところはそれを担当した人に聞いて書けばいいじゃん。
注射をうった時のことはKちゃんが一番よく知っているし・・。」
Kちゃんは意外だという驚いた顔をしていた。
仲がいい私がKちゃんの擁護をしなかったことに驚いた、らしい。
「書けっていうなら、書くけどさ。」
そう言い捨てて行ってしまった。
私も言ってはみたけれど。
そんな気持ちで事故報告書いて、果たして、反省しないだろうなぁ・・。
きっとまた、繰り返すのか。
Kちゃんが注射介助の時はそばにいて
必ず確認を促さないといけないだろうなぁ・・。
今の彼女に、あの利用者さんが経験した「つらい思い」を
想像しろと言っても、たぶん、無理だ。

心が傷つかない方法っていうのを昔読んだことがある。
それは「目の前で起きていること、
自分に向けられている言葉や感情は
自分とは全く無関係だと思い込むこと」だそうだ。
確かに強くなれそうだ。
でも、犠牲も多いような気がする。

介護職って、利用者さんの気持ちを想像する仕事だと
私は思っている。
だから、すごく傷つくし。
時に、すごく泣きたくなるし。

経験を重ねてからの反省って
難しいものなんだなぁ、と思う。
言い訳をしないでストレートに反省する新人さんの姿に
私も学ぶことがある。
初心忘れるべからず~ってこういうことなんだと思う。




反省するって難しい 1

2014.01.15 21:49|雑感
はぁ・・とため息がでてしまう・・・。

事故があった・・というより、ヒヤリハットがあった。
それも3件、おんなじ日に。
そのうちの1件は第一発見者が私で、ヒヤリハット処理の
書類を私が書き上げた。
そして、その事件にかかわった
新人さん二人を指導しなくてはいけなくなった・・。

こういうのは、気が重い・・。
私が?たかだかこの仕事7年ぐらいしかしていない
私が?えらそーに話をしなくてはならない、はぁぁぁ・・。
私が完璧に仕事しているんなら、えらそーにもできるのだけど。
それにはほど遠いわけであって・・・はぁぁ・・。

なんで「指導」になったかと言うと、
この新人さんたち、全く反省も危機感もなく
事件が起こった直後に私に「ねぇ~カラオケ行きましょう~!」
などと笑顔で話していたから、である。
はぁ・・・とっても危なかったんだぞ!
二度と繰り返してはいけないんだぞ!
なんで、わからないんだよ!!
というわけで、一人ひとり事務所に呼び出して
じっくりと20分かけて話した。

多分、通じたんじゃないかな。
「すいませんでした。」二人とも、そう反省した言葉を言った。
「とても危険でした。二度と繰り返さないように、お互い
注意し合っていきましょう。」
そんな教科書的なことをいい、「はい。」としんみりした返事をもらった。
二人ともとても落ち込んでいた。
昔の私だ。そうだよな・・私もすごーく落ち込んだ。
今ならわかる。
落ちこまないと、軽く考えてると同じ事繰り返す。
どうしてミスをすると傷つき落ち込むんだろう
落ち込まずに反省できたらな~って昔、先輩に愚痴ったら
同じこと繰り返さないように心に刻んでいるからだよって
なんだか、うまいこと言われたっけな。
私は、今後怖い先輩キャラでいくのかなぁ。。。

まぁ、それはそれで、落ち着いたのだけど。
もっと大変なことがあった。

毎日「インスリン注射」をうたなくてはいけない利用者さんがいて。
インスリン注射というのは、簡単に言えば血糖を下げる注射。
体内のインスリンという物質がうまく出ない方は
普通の食事を普通にしていると血糖が高くなり、意識を失って大変な状態になる。
そこで、医者が定めた通りの分量のインスリンを食事直前にうつ。
最低でも注射うってから15分後には食事をとらなくてはいけない。
食事直前ではないと、今度は逆に血糖が下がりすぎて大変な状態になる。
ここまでは、血糖コントロール介助をしている
介護士なら誰でも知っているのだけど。
(ちなみに、介護士は注射をうってはいけない、医療行為だから。
看護師か、本人がうつのを手伝うのみ)

夕食を作っているときに、厨房の方でトラブルがあり、
いつもより夕食が遅くなってしまった。。。
のに、私の同僚のKちゃんが利用者さんに
いつも通りの時間にインスリン注射をうつようにうながしてしまい。
注射うってから、50分後の食事が出て。
その利用者さんは食事に手を付けた直後に
意識を失い、突然に、ばったりと倒れた!

血糖値39というものすごい血糖値だった。
(普通の人が食事前だいたい90ぐらい)
急きょベッドに安静にし、口にブドウ糖をふくませ、
歯茎に黒砂糖をすり込み、必死の処置のおかげで
なんとか、1時間後に意識が回復した。
よかった、本当によかった・・。
もし、呼吸も止まっていたら・・・そう思うとぞっとする。

よかった・・やれやれ~でこの話は終わらなかった。
そりゃ、そうだ。
これだけの事件だもの・・。

ある方のある話 2

2014.01.07 15:27|雑感
食堂での働き口を姉が見つけてくれた。
姉からは「客とは無駄話するな」ときつく言われた。
それさえ守っていれば、あんたは真面目なんだから
仕事を続けられるはずだから。
そしたらお金も手に入り、おまんまも毎日食べられるから、と。

彼女はお客の顔を見ないように、
そして、器量が悪い自分の顔が見られないように
下を向いてもくもくと働いた。
愛想がない、暗い、と怒られながらも、
しゃべらないようにしゃべらないように努力して働いた。
ほかに仕事がない。ねーちゃんが探してきてくれた仕事だ。
でも、ある日、店主に呼ばれた。
「あんたがいると、店が暗くなるんだよね。真面目なんだけどな。
悪いんだけど、今日で・・・。」
彼女は限界だった。
「うっせー!このバカ!早く金よこせ!」
彼女は叫んでいた。
店主が差し出した給料を奪い取ると、店から走り出た。

家に帰り、この話をすると姉は豹変した。
「あんたを養う金はないよ!今日もらった給料、よこしなさいよ!」
彼女はお金を渡した。
「次の仕事、自分で見つけなさいよ!」
次の日から仕事を探しに出かけたが、小学校もまともに行っていない人間に
そう簡単に見つかることはなかった。
日に日に次第に、姉の彼女への態度はきつくなっていった。
「あんたには金がかかるのよ!」
蘇る母親の幻影。幻聴。
”あんたには金がかかるのよ!”
「うるせー!しずかにしろ!!」
ある夜、彼女は玄関のガラスをめちゃくちゃに叩き割った。
叫びながら、粉々になるまで、血だらけになって。
そして、意識を失った。

目が覚めたとき、病院の精神科にいた。
姉がそばにいた。
「あんたね、統合失調症だって。わかる?」
わかるわけがなかった。
「かなり、重い精神の病気だってさ。すごく重いんだって。」
”精神の病気”はわからなかったが、重い病気はわかった。
私はびょうき。びょうき。びょうき。。。。
「しばらく入院してろって。わかる?あんた、ここにいるんだよ。
治るまで。よくなるまで。ここにいるの。わかる?
私はあんたの精神障碍者の申請をお役所にだしてくるから。
あんたはここから治るまで出ないでよ。」
歩けるようになると、隔離された、
小さな窓が外に向けて一つある部屋に移動した。

それからのことは、あまり話したくない、と彼女は言った。
治療の名のもとにいろいろなことをされ
いろいろな薬を飲まされた。
泥沼のような体と泥沼のような心。
「全く体が動かなくなった時もあったねー。」
退院するには、時間がかかった。

そのあとも姉と住んだ。姉は結婚していて家を建てていた。
その2階の一室が自分の部屋だった。

それでも、まるで波のように、幻影と幻聴は襲ってきた。
”早くお金をよこしなさいよ!”
それは、母親であったり、姉であったりした。
自分はお金を稼いでいない。
お金がなければ生きている意味はない。
生きている意味がない。お金がない。
生きている意味がない。お金がない。

「体がよくなったなら、働ける?」
そんな姉との軽い会話から発作は起こった。
「うるせー!ばか!」相手を罵る言葉が次々と出て
家のものを破壊して回った。
家を飛び出し車道の真ん中を歩いているのを通報されたこともある。
発作を繰り返し、意識を失うことも繰り返し
入退院を繰り返した。

姉は疲れていた。
これ以上の同居は無理だ。
彼女もわかっていた。姉に無理をさせていることと
自分が姉につらく当たってしまうのを止められないことが。
そして、一人暮らしを始めた。姉が手配してくれた。
姉はお金を援助すると同時に
「体が大丈夫なら働きなさいよ。」と優しく言い、
それが彼女の精神の病を悪化させていった。
姉が私を殺そうとしている、そんな悪夢を毎日見た。
「やめろー!うっせー、ばかやろー!」
部屋にあったものを破壊してまわり、血だらけになり
泡を吹いて奇声を上げ意識を失った。
長期の入院となった。

退院後、彼女は施設での暮らしを希望した。
でも、どこの施設でも長続きしなかった。
共同生活ができないのだった。
少しでも自分の思い通りにならないと「どけ、このやろー!」
「うるせー!ばーか!」と大声で叫び
施設から”ここでの生活は無理”と判断されるのを繰り返した。
そのたびに、精神薬は強いものになって行った。

うちの施設は、6か所目だった。
最初は、次の施設が受け入れ態勢を整えるまでの1か月間のみの
契約でショートステイの形だった。
それが、彼女がうちを気に入り、うちは彼女をソフトに受け入れた。
「うるせー!」と叫ぶのも個性の一つ、なんてゆるい解釈のもと。
今、彼女は、かなり強い向精神薬を
(普通の人が一つ飲んだら、まず6時間は起き上がれないだろう薬)
一日に5本飲んで、落ち着いている。
発作は2年間で一度だけだ。(その時は玄関の窓ガラスを粉々にされた。
全く誰の話も聞けない状態で、錯乱し、興奮し、泡を吹き
落ち着くまで無理に押さえつけることしかできなかった。
全く別人だった。)
今でも自分が「重い病気」と思い込み、薬がないと大騒ぎしたり、
時々大声で誰かを罵ること「ばかやろー!しずかにしろー!」
・・・を別にすれば、うちでの生活を「楽しく送っている」そうだ。
「悪い夢も見なくなったよ。」

「あのな、ねーちゃん、さ。」
彼女がめずらしく静かに私に話しかけてきた。「わかったんだけどな。」
「なにが?」
「人間ってな、生きているうちに、どっかで、集団で生活して、
他人の中で暮らすようになってるんだな。」
「そうかもしれないね。」
「学校にも行ってないからな。大勢で暮らすってどんな気分なのか
全然わからなかった。」
「そう・・・どう?大変?」
彼女は少し考えていた。
「大変だな・・・。怒鳴らないように、叫ばないように
毎日、気を付けてるよ。大変だ。」
この人は自分だけを見てきた。
他人からどう思われる、とか
他人を気遣おうとかをほとんど考えずに生きてきたんだ。
そして、今、それに気が付いている。
つまりは、それだけ、ここでの生活を続けたいんだな、とも思う。

彼女は少し笑いながら続ける。
「大変だけどな。何かの時に、ありがとう、とか
笑うと可愛い、とか、痛そうだけど大丈夫?とか、そう言われるとな。
なんだか・・・へへへって笑っちゃうな。」
「みんな、おんなじですわ。」
私も笑って言う。「おんなじなんですわ。」

大変だけど、時にへへへって笑っちゃう。
そうなるように人生できている。
・・・・のかもしれない。


ある方のある話 1

2014.01.06 12:12|雑感
彼女には父親はいなかった。
「父親」という言葉の意味も知らなかった。
母親はいろんな男の人を家に連れてきていた。
そして、そのたびに家から追い出された。
「遊んでおいで、入るんじゃないよ。」
雨でも暴風雨でも家から出された。一部屋しかない家だった。

「あんたはね、何度も何度もおろそうと思って
身ごもった時にあの低い塀から飛び降りたんだけど
あんたはね、どんどん腹の中で大きくなりやがって、さ。
生んだよ、生むしかないだろ?」
母親は酔っぱらってよく彼女に言った。
「金かかるのにさ、あんたは生まれてきて満足だろうけど
私は、あんたのせいで大変なんだよ」
そう言っては、彼女を殴っていた。

彼女は学校に行かなかった。
母親は”子供を学校に行かせる”という考えがなかったようだ。
本当かどうかをわからないけど、彼女は私にそういった。
「一度も学校に行ったことはないよ。」
だから、読み書きもよくできない。ひらがなさえも。
そして、ずっと後になって、彼女は知った。
彼女の母親の仕事は、男に女を紹介する仕事だった。
それが・・仕事というより、金を稼ぐ方法だった。
ある日、道端で常連の男に会い、母親はヒステリックに叫んだ。
「あんたね!金は?金は?全部話すよ!あんたの可愛い奥様に!
早く金をよこしなさいよ!」
「逃げる気じゃないでしょうね!ただで済むわけないでしょう!」
周りの目も気にせずに母親は大声で叫んでいた。
ただ、警察が来ると母親は急に大人しくなった。
彼女には姉がいたとも聞いた。親戚にあげた、との話だった。
母親は彼女にも男を紹介して金を稼ごうとしたが
・・・残念ながら、彼女は器量が悪かった。
「あんたは金にもならない。何のために、育てかわかりゃしない!」
そして、彼女は家を出された。

住み込みで旅館で働いた。
だまって、ただ、人の言うことを聞いて動く。
彼女ができることはそれだけだった。
それでご飯が食べられて、寝る場所がもらえた。
ただ、彼女は、”人とうまくやっていく”方法がわからなかった。
学校にも行ったことがない、友達もいない。
母親のところに来る男で、たまに子供好きな客が話したり
お菓子をくれたりするのが唯一の「他人との接触」だった。
自分が喋ると母親が怒るから、しゃべらなくなっていた。
そして他人と何を話せばいいのか、彼女には全然わからなかった。
彼女の口から出てくる言葉は、周りの人を傷つけ、怒らせる
ヒステリックな言葉ばかりだった。
「うっせーな!」 「静かにしろや!」
「いうこと聞け!」そんな言葉しか知らなかった。
雇い主にも「あんた、早く、金をよこしなさいよ!」と言った。
母親そっくりの口調だった。彼女は、激しく罵られ、殴られた。
その言い方のどこが悪いのかわからなかった。
そして、誰も彼女と話さなくなった。

周りにたくさんの人がいながら、彼女はひどく孤独だった。
彼女は混乱した。
夜な夜な聞こえる母親の叫び声。
「なんで生まれてきたんだよ!」
「あんたは生まれてきて満足だろうけど、こっちは大変なんだよ!」
「あんたは金にもならない!」
「早く金をよこしなさいよ!」
うわんうわん鳴り響く声。追いかけてくる叫び声。
夜中に彼女はありったけのお金を抱えてそこを飛び出した。

正気を取り戻したとき、
彼女は行く場所を失っているのに気が付いた。
完全に一人ぼっちだった。
死のう、とか生きる希望がない、とか
そういった考えも思いも彼女には浮かばなかった。
ただ、お腹がすいて寒かった。
それを何とかしたかった。

姉と言う人に会ってみたい。彼女はそう思った。
もしかしたら「おまんまを食わせてくれる」かもしれない。
彼女は姉がいるはずの親戚を訪ね、
姉が自立して一人住まいしていることを知った。
そこに訪ねていき、初めて会う姉を見て驚いた。
自分とそっくりの顔立ち。器量の悪さも、ガラガラな声も。
姉は彼女の事情を聞き、働くのなら一緒に暮らそうといった。
彼女は幸せだった。
「ねーちゃん、すまない。」
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プロフィール

mira

Author:mira
パートの介護職のへタレおばさん。
そして
ちょっぴりヲタクが自慢。
私の知識の80パーセントは
マンガからきています♪
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そして、無断トラックバックはお断りしております。
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