たこちゅー君
2012.03.17 22:41|仕事|
この頃、うちの職場へ問い合わせや見学が相次いでいる。
施設に来るご家族はみな
「母を(父を)預かってくれる場所を探しています。
それも、出来るだけ安く、何人部屋でも構いません。」と言う。
この前私が対応した方は、もう、涙ながらに話していた。
ちょうど昼食時でスタッフ皆忙しく、
対応に時間が取れないな~と気が気でない状態で
玄関でたったまま話を聞いて。
それでも、その娘さんの泣く姿を見ていると放っておけない。
「母が嫌いなんです、昔から、そう、反抗期のころから
それから30年以上、母の顔を見るたび、
寒気がするほど嫌いなんです。
その母が倒れて、自宅で一人生活ができない状態で、
父はず~っと入院していて、植物状態で・・・。
そんな事より、母の顔も見たくない状態で
介護なんてできるわけなくて。
何とかしてほしいと包括さんにお願いしたら、
ここが空いてるって言われて・・。」
そう話すと、彼女の目から涙がぼわ~っと出てきた。
「大丈夫ですか?」
「すいません・・うっ、うっ・・・」
「大変申し訳ないのですが、ただ今責任者が不在で・・」と言うと
「分かってます、私が悪いんです!電話も予約もしないで
いきなり、昼食の時に来て、悪かったんです!!」
強い口調で一気に言う。
「・・・・大丈夫ですか?」
「私が・・母を好きになれない、私が悪いんです。
一人娘なのに!兄たちは母を慕っているのに。
施設に預ける、って言ったら、
兄はそうだろうな、お前には介護は無理だって。
分かっているんです、私には無理なんです。気持ち的に無理なんです。
・・・・ごめんなさい。」
嗚咽をこらえている様子。
「よろしかったら、応接室の方へ~」
「いいんです、本当、いいんです、あの、ここ、空いてますか?」
空いている事は空いている。ただし、最後の1室で
問い合わせが相次いでいるので、なんとも言えない。
「それは責任者でないと、ちょっと・・」
「そうですよね・・急に来て、わからないですよね。
でも、包括さんは急に行っても大丈夫だって・・」
大丈夫じゃないったら、こっちだって都合があったりするんだから!もう。
「すいません、いつもは責任者いるんですけど・・」
そうそう、いつもなら、社長が裏の畑で水をやってたりするんだけど
今日は運悪く外出中。
すこし、ハンカチで涙を拭いて、それから
「誰も誰も私の話を聞かない、聞いてくれないんです・・
包括さんに状況説明したら、なんて言われたと思います?
”そうですか、よくある話です。じゃ、ここ見学行って下さい”
それで、それ以上話聞いてもらえなかったんです。」
そう~か~・・・ひどいな~・・・
包括は忙しいし、専門職にとっては”よくあるケース”
でも、家族にとってみれば、決して”よくあること”でもないし、
簡単に”はい、では、母を預かって下さい”と
心のきりかえがつくものでもない。
いくら嫌いだ、うまくいかないだ、言っても自分の母親だぞ。
ものすごく複雑な心境だろうし、施設へ預けるっていうことは
まだまだ「良心の呵責」がうずくだろうし。
誰かもっと話を聞いてあげないといけないだろうな~・・と思う。
少し落ち着いた後、彼女は電話番号を置いて帰っていった。
この人は母が好きになれない事で
ず~っと自分を責めてきたんだろうな。
こんな、見知らぬ人間に堰を切ったように心情を話すなんて
よっぽどの事なんだと思う。
要介護者が出た家族への心のケアって
もしかしたら、ものすごく大切なのかもしれない・・・
それも、継続的な。
暗い話題ばかりなので
気分転換に写真を載せます。
娘ちゃんがブログに載せて~と騒いでいるので、スイマセン。
たこちゅー君(左)とたこちゅーさん(右)の
微笑ましいカップルだそうです。
足の数が、かなり、多いような・・・
施設に来るご家族はみな
「母を(父を)預かってくれる場所を探しています。
それも、出来るだけ安く、何人部屋でも構いません。」と言う。
この前私が対応した方は、もう、涙ながらに話していた。
ちょうど昼食時でスタッフ皆忙しく、
対応に時間が取れないな~と気が気でない状態で
玄関でたったまま話を聞いて。
それでも、その娘さんの泣く姿を見ていると放っておけない。
「母が嫌いなんです、昔から、そう、反抗期のころから
それから30年以上、母の顔を見るたび、
寒気がするほど嫌いなんです。
その母が倒れて、自宅で一人生活ができない状態で、
父はず~っと入院していて、植物状態で・・・。
そんな事より、母の顔も見たくない状態で
介護なんてできるわけなくて。
何とかしてほしいと包括さんにお願いしたら、
ここが空いてるって言われて・・。」
そう話すと、彼女の目から涙がぼわ~っと出てきた。
「大丈夫ですか?」
「すいません・・うっ、うっ・・・」
「大変申し訳ないのですが、ただ今責任者が不在で・・」と言うと
「分かってます、私が悪いんです!電話も予約もしないで
いきなり、昼食の時に来て、悪かったんです!!」
強い口調で一気に言う。
「・・・・大丈夫ですか?」
「私が・・母を好きになれない、私が悪いんです。
一人娘なのに!兄たちは母を慕っているのに。
施設に預ける、って言ったら、
兄はそうだろうな、お前には介護は無理だって。
分かっているんです、私には無理なんです。気持ち的に無理なんです。
・・・・ごめんなさい。」
嗚咽をこらえている様子。
「よろしかったら、応接室の方へ~」
「いいんです、本当、いいんです、あの、ここ、空いてますか?」
空いている事は空いている。ただし、最後の1室で
問い合わせが相次いでいるので、なんとも言えない。
「それは責任者でないと、ちょっと・・」
「そうですよね・・急に来て、わからないですよね。
でも、包括さんは急に行っても大丈夫だって・・」
大丈夫じゃないったら、こっちだって都合があったりするんだから!もう。
「すいません、いつもは責任者いるんですけど・・」
そうそう、いつもなら、社長が裏の畑で水をやってたりするんだけど
今日は運悪く外出中。
すこし、ハンカチで涙を拭いて、それから
「誰も誰も私の話を聞かない、聞いてくれないんです・・
包括さんに状況説明したら、なんて言われたと思います?
”そうですか、よくある話です。じゃ、ここ見学行って下さい”
それで、それ以上話聞いてもらえなかったんです。」
そう~か~・・・ひどいな~・・・
包括は忙しいし、専門職にとっては”よくあるケース”
でも、家族にとってみれば、決して”よくあること”でもないし、
簡単に”はい、では、母を預かって下さい”と
心のきりかえがつくものでもない。
いくら嫌いだ、うまくいかないだ、言っても自分の母親だぞ。
ものすごく複雑な心境だろうし、施設へ預けるっていうことは
まだまだ「良心の呵責」がうずくだろうし。
誰かもっと話を聞いてあげないといけないだろうな~・・と思う。
少し落ち着いた後、彼女は電話番号を置いて帰っていった。
この人は母が好きになれない事で
ず~っと自分を責めてきたんだろうな。
こんな、見知らぬ人間に堰を切ったように心情を話すなんて
よっぽどの事なんだと思う。
要介護者が出た家族への心のケアって
もしかしたら、ものすごく大切なのかもしれない・・・
それも、継続的な。
暗い話題ばかりなので
気分転換に写真を載せます。
娘ちゃんがブログに載せて~と騒いでいるので、スイマセン。
たこちゅー君(左)とたこちゅーさん(右)の
微笑ましいカップルだそうです。
足の数が、かなり、多いような・・・
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