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毒母

2013.10.28 11:21|雑感
なんだかやるせないのでここにぶつける。
利用者さんのJさん、前に記事に書いた方(2013.9.17)の話。

ある日、Jさんは満面の笑みで私に話しかけてきた。
「miraさん~私、本当に生きていてよかった!」
「いいことがあったの?」
内容はわかっていても知らないふりをして聞く。
「息子とまた来週デートなの!」

Jさんは前の夫との間に一人息子がいた。
離婚する際に手放した・・・親権を夫側が持つことが
離婚の条件だったらしい。その家の跡取り息子はおいていけと。
Jさんは、その時、別の男性と恋愛しており
なんとしてでも夫と別れたかったそうだ。
5歳の息子をおいて、Jさんは家を出た。
そして次の夫との間に娘が三人できた。

施設で暮らす身になって、Jさんはあちこちの親戚に
連絡を取り、この息子を探していた。
3か月かかり、ようやく息子の住所がわかった。
Jさんはこの息子に手紙を書いた。
「あなたが私のことを恨んでも仕方ないです。
罵られても当然だと思っています。
私はあなたを捨てたようなものです。
それでも、一度でいいから、あなたに会いたい。
私の中のあなたはあの、43年前の5歳のまま。
許してくれるなら、一度でいいからあなたの顔が見たい。」
なかなか感動的な内容だった。
そして、息子さんがうちの施設に会いに来た。
突然の訪問にJさんは狂喜乱舞。
息子さんはJさんを恨んでも憎んでもいなかった。
「僕もずっとお母さんを探していたんです。
手紙をもらって、本当にうれしいです!。
ずっと父親に育てられたから、”おかあさん”と
呼べる人に会えるなんて、本当にうれしいです!」
43年ぶりに二人は会って、抱き合って泣いて、笑って。
なかなか感動的な再会だった。

こう書くと、ただの感動的な美しい話なのだろうけど。

Jさんは浮かれてこの話を面会に来た自分の娘(次女)に話した。
「あんたの知らない、私の息子に会ったんだよ!
とても優しくていい男でね。まだ、独身で!
そして私を許してくれて、これからも会いに来てくれるって!」
Jさんはべらべらとしゃべる。次女さんはどんどん顔が青ざめていく
「なんで今頃・・」そういうと、ゆっくりと次女さんは倒れていった。
どーん!という音とはぁあ!はぁあ!はぁあ!と荒く早い呼吸。
「看護師をはやく!」私は大声を上げた。
これは、たぶん、過呼吸。だとしたら、精神的な・・。
「血圧が200超えてる、すぐに安静に!」
看護師指示のもと静養室へ車いすで運んだ。
このドタバタしている間、Jさんは椅子に座ってそれをぼんやりとみていた。
「また発作か。すぐに収まるわよ。」
Jさんは煙草に火をつけた。「はぁぁぁ。めんどくさい。」


Jさんの蓄えが底を尽きかけている。
年金もかけてなかったJさんは収入がない。
ここの施設の支払いをあと2か月したら貯金はなくなる。
(Jさん、次女さん、ケアマネ、私たち数人がその貯金額を
把握している。施設の支払いに直結するからだ。
Jさんは私たちが貯金額を把握していることを知らない)
生活保護の申請も時間がかかっている。
娘さんたちも生活が裕福ではなく、Jさんの施設費用を
三人合わせても全額は出せない。
だから、Jさんは自分の息子を探していた。
お金がいるのだ。
そして、あわよくば。
ここを出て息子と暮らしたいと考えている。
お金がなく、口うるさい娘たちよりも
43年ぶりに会った、優しい息子と・・・。

静養室で少し横になり、次女さんは落ち着いた。
ぼっとした表情で「すいません、ご迷惑かけました・・」という。
「血圧正常になりましたよ・・大丈夫ですか?」そういうと
少し間があって、涙声になった。
「母親は自分のことしか、考えてないんですね。」
次女さんは自分の母親に息子がいることを知らなかったそうだ。
「これで生活保護の申請がまた難しくなるのに・・・」
お金が無いなりに、次女さんは必死に母親を支えようとしていた。
裏切られた。そう思っているに違いない。
体調が回復したあと、次女さんはJさんに会わずに帰った。


Jさんはこの頃毎日とても明るく楽しそうに暮らしている。
毎週日曜日にはその息子さんが施設に面会に来て二人で出かけている。
食事制限が必要なJさんなのに息子さんと外食をして
血糖値やら血圧やらがすごい数値になってしまい。
職員や看護師がきつく制していても全然聞く耳を持たない。
「息子はうるさいこと言わないもの。
本当に生きていてよかった!最高にしあわせ。」


「毒母っていうんですか?今、流行っているそうですね。」
ケアマネは言う。
「JさんはBPDだから~・・なんというか、
一種の精神的病気だから仕方ないんですかね。」
そういわれると、なんだかすごく、こたえる。やるせない。
BPDだから・・仕方ない・・・
対人関係障害。
このような言動をしたら相手がどう思うかを
想像できない病気だから、仕方ない・・・

長年Jさんをなんとか支えていた
娘さんたちにとっては
仕方ないって思えるんだろうか。





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Author:mira
パートの介護職のへタレおばさん。
そして
ちょっぴりヲタクが自慢。
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