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「私は幸せ」

2013.10.02 22:33|雑感
いつもなんだか辛気臭い記事が続いている。
まぁ、接している利用者さんのことばかり
書いているから、仕方ないのかもしれないけど。
当たり前だけど、人生の大先輩から
一人ひとり全然ちがう歴史やら物語やらを聞かされ
私の中で、”書き留めておきたいな”と思うことが多い。
この仕事の特権かもしれない、ありがたいと思う。

そうだな・・・
これが、この仕事の一番の魅力かもしれない。
どこぞの介護職のCMみたいに「ありがとう」って
言われることは・・・めったに、ほとんどないけれど
(私たちは「ありがとう」と言われてはいけない、
と教わっている。「ありがとう」と利用者さんから言われるほど
利用者さんが介護士に気を使うことがあってはならない、という
鉄則みたいなものがあるから)
こちらから利用者さんに「ありがとう」ということはすごく多い。

私の大好きな利用者さんについてちょっと書く。
この方、御年、97歳。
この年齢だけで、もう、尊敬してしまうのだけど。
(自分の97歳を想像できる人っているのかしら?)
とても痩せていて、小柄で、
でもしっかりとした足取りで歩いていらっしゃる。
お風呂が大好きで、入浴の際にご自分の話をいろいろと
楽しそうに教えてくださる。

18歳で、好きでもない人のところに嫁に行った。
そこは、ある温泉旅館で、大姑、姑とそろっていた。
かなりいじめられた。朝から晩まで働いて、ケチをつけられ
子供はまだか、男の子を作れと毎日言われ。
一年後に待望の男の子が生まれ、おんぶして働いた。

ある時、湯治で大学生さんが3か月滞在した。
湯治は名目で、実際は親からお見合いを進められ
それを引き延ばすために「具合が悪い、湯治をしたい」と
言い訳をして逃げてきたのだった。

境遇が似ていた二人は、間もなく本音で話すようになり。
そして、二人は、恋に落ちてしまった。

「もう、この人だ!と思ったよ。寝ても覚めてもその人のことばかり
目の前に浮かんできて、ドキドキがとまらなくて。
旦那と二人の時でもその人のことしか頭になくて。
子供の世話もおろそかになって。バカになっちゃって。バカだね。
私のぜーんぶ持っていかれたよ。ぜーんぶ。」

明日が湯治最後の日という朝。
二人は駆け落ちした。
1歳に満たない自分の子を置き去りにして
彼とこの旅館を出た。

「あんたは、そのぐらいの恋をしたことあるかい?」
この方は、湯船につかりながら、目を輝かせて聞いてくる。
「なにもかも、子供すらもおいていこうと思うほどの
恋をしたことがあるかい?」
「・・・そこまで好きでも、勇気がないです」そういうと
「私は勇気すらも考えなかったよ。彼しかなかった。」
そう笑う。

その後の話はあまりされない。
彼とは子供ができなかった、
苦労続きで首をくくろうかと思ったけど
死ぬことが怖くてできなかった、とだけ、笑って話した。

「それがね、10年ぐらい前、90になる前かな。
突然に息子だっていう人に会ったんだよ。」
1歳に満たないぐらいで母親と別れた息子さんは
成人してからずっと母親を探していたらしい。
「その息子って名乗った人、こういったね。
”あなたは母親でもなんでもないです。
俺を捨てたんだから、母親じゃないです”
なんだろーね。母親じゃないっていうために
母親を探してたんだから、苦労したろうにねー」
息子さんもけじめがあったのかな・・・と想像した。

「いろーんなもの失った。いろーんな人からひどい目にあった。
でもね、私にはね。彼がいたんだよ。ずっと。
私は、一生をかけてもいいっていう恋に巡り合ったんだよ。
それは、幸せだと思わないかい?」
キラキラした目で私に話してくる。
「いい男だったよ・・本当にいい男だった・・・
あれ以上にいい男ないね・・・私は幸せだよ・・
あんないい男に巡り合って、添い遂げて・・・」
「そろそろ、上がりましょうか?」
湯船に入っているこの方に声をかける。
「そうだね、男にのぼせても、お湯にのぼせちゃ恥ずかしいからね。」

「自分は幸せだ」とはっきり言うには
人には言えない、言いたくないことが山のようにあるとは思うけど。
でも「幸せだ」と言い切るこの利用者さんが
私は大好きだ。
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Comment

No title

まるで瀬戸内寂聴のような利用者様じゃないですか!
そう、この方は満足できる人生だったんですよ。

この方は本当に幸せなんだと思います。
もっと書きたいことがあるけど、
このスペースでは書ききれないので、またいつか・・・
たっぷりと!書かせてください。

宇宙人さん

そうなんですよね~!
寂聴さんみたいだと私も思いました。こんな方が
本当にいらっしゃるなんて~と驚愕です!

「幸せになる方法はね。
”私は幸せだ”って、自分が幸せな部分を大切にすることだよ。」
そんなこともおっしゃっていました。

たくさんの名言、様々な生き様、
本当に勉強になります!!
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Author:mira
パートの介護職のへタレおばさん。
そして
ちょっぴりヲタクが自慢。
私の知識の80パーセントは
マンガからきています♪
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TBの際にもご一報くださいませ)

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