スポンサーサイト

--.--.-- --:--|スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

うまく笑えなかった。

2013.09.17 17:47|仕事
うちの施設には、本当にいろいろな方がいる。
いろいろ~いろいろ~いろとりどり~
毎日、飽きることはない・・と言えば
聞こえはいいのだろうけど。

老人施設、というと、ふつーの人はたぶん
「認知症で、わけがわからなくなったじーさん・ばーさん」
っていうイメージなのかもしれないけれど。
(ちなみに認知症の方ばかり入居しているのはグループホーム)
うちは「サービス付き高齢者専用賃貸」ってやつなので
賃貸住宅扱い。在宅扱いということになる。
で、いろーんな方が住んでいる。

統合失調症の方(人によって症状・性格は全部違う)
パーキンソンの方(体の自由がだんだんきかなくなる)
老人性うつ病の方(起伏が激しい方もいる)
ハルーンカテーテルの方(なんていうか、人口の尿道というか)
インシュリン注射が欠かせない方
そして、もちろん認知症の方もいる。

この前、ある利用者さんからある悩みを打ち明けられた。
「miraさんにお話がしたい。」
「私に??私に??」
私、なんかやったかなーってぞわぞわしていると
「二人っきりで静かなところで話がしたい。」と
真剣な表情。やばいね。これは。本当に、やばいかも。
真っ青な顔をしている。やばいね。これは。

私自身・・まぁ、介護士がこういうことを言っては
もしかしたらいけないのかもしれないけど。
私自身、この利用者さんとはあまり話したくないという
自分の中で黄色信号光っている方である。
この利用者さん、仮にJさん、BPDなんである。
BPDというのは、「境界性人格障害」
まぁ、簡単に言えば「統合失調症一歩手前」
「統合失調症」までいかないけど、ふつーじゃない。
そういう場合はなんでもこのBPDに分類されたりする。
「精神科のくずかご」とまで言われると聞いたことがある。
もちろん、人によって症状は全然違う。

相談室に二人で入り、向かい合って座る。二人っきり。
「私は・・この頃、誰とも話していない。挨拶しかしてない。
自分の中にある寂しさ、いらいら、悲しさ、を
どうしていいか、わからない。わからないの。」

やばいな、と思いつつ。
私はゆっくりと、「自分の人格」というメガネをはずして。
「Jさんの人格」というメガネをかける。
彼女が見ているセカイ。
彼女が解釈しているセカイ。
それを感じて、話をしなければ。
変な同調やら共感やら励ましやらがどんな結果になるか。
彼女から見たセカイを感じないと。
・・・それは、結構、いろいろと・・
やばい方法かもしれないんだけど。

「2年前に精神科に入院させられた。あの時が蘇ってくるの。
ほんの少しの窓で隔離させられて。私は異常じゃないのに。
無理に私を入院させたの、私の娘が。
”死にたい”って思うことが異常なの??
普通の人は思わないの?
夫が突然死んで、そう思ったりするでしょ?
そういっただけなのにどうして入院させられたの?
自分が緩やかに殺されるって思って、怖くて。
そうしたら、やっぱりお母さんは異常じゃなかったって
ある日急に退院になった。
わからない、私は異常なの?異常だから、みんな
挨拶ぐらいしか話をしてくれないの?
もしかして、異常だから、ここを追い出されるの?
私はどうしたら、みんなと話ができるの。
どうしたらわかってくれるの。」

せきを切ったように話をして。
涙がぼろぼろと流れていく。
急死した夫のこと、仕事上で騙されてお金をなくしたこと
理解してくれない娘のこと・・・30分ぐらい
涙を流しながら、話が止まらない。

残念ながら事実はこうだ。
娘さんはこの方の「少し異常な言動」を気にして
精神科に入院させた。隔離病棟ではない。
そして、この方に合った薬物療法がはっきりとしたので退院になった。
お金も騙されたわけではなく、自分が使い込んでいた。
みんなとも話をしている。
昨日も夜勤の女の子捕まえて1時間近く話をしてる。
話を”盛りに盛って”いるわけだ。
でも、「Jさんが見ているセカイ」では
そんなこと・・事実はどうでもいいんである。
いまここで事実をJさんに言っても、いいことは何一つない。

BPDの症状の一つに
「人から見捨てられることへの異常なほどの恐怖」
というものがあって、たぶん、その”発作”が起きている。
なんとしてでも見捨てられたくない。
嘘を並べても、涙流しても、すがりついても、
醜い姿さらしても、なんとしてでも見捨てられたくない。
それは・・それは、必死だ。”発作”の一つだから。

「うん・・うん・・わかるよ・・つらいよね、ほんと・・
わかってもらえないのは、寂しいよね・・・」私はうなずいた。
「わかるの?本当にわかるの?」Jさんは顔を上げた。
「そりゃ、わかるよ。周りにわかってもらえないっていうのは
どんなに人がたくさんいても寂しいしつらいよ。
私だって寂しいよ。周りに嫌われたら、つらいよ・・」
そういうと、涙を拭きながらJさんは少しだけ笑った。
「miraさんに話聞いてもらいたかったの。ほかの人じゃなくて。」
「え?なんで?」
少しだけドキッとする。なんなんだ。
あんまり私はJさんとは親しくないんだけど。
「なんかね。同じ・・匂いがするような気がして・・。」

「やだな、Jさん、気のせいだよ。」
なんだか、うまく笑えなかった。

スポンサーサイト

Comment

非公開コメント

| 2017.11 |
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
プロフィール

mira

Author:mira
パートの介護職のへタレおばさん。
そして
ちょっぴりヲタクが自慢。
私の知識の80パーセントは
マンガからきています♪
(リンクご希望の際は、ご一報下さいませ。
そして、無断トラックバックはお断りしております。
TBの際にもご一報くださいませ)

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

ようこそ♪

本棚

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

フリーエリア

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

ページトップへ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。