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今年もお世話になりました。

2013.12.29 22:28|雑感
ごぶさたしておりました・・。
ちょっとばかり体調がすぐれない日々が続き、
それによって、不安定な精神が不安定に動いたりして
そんな状態でも記事を書いたのだけど
いや、公開はできないだろ、という内容ばかり。
書いてはいけない時は、書いてはいけないのであって。
書きたいならちらしの裏にでも書いとけ!と
自分に突っ込んでいたのでした。

さてさてそれはともかく。
こんな仕事をしていると、いろいろな方の人生やら
生きていた道筋を見ることができるのですが。
実に対照的な方お二人が、この12月に入居されたのでした。

ある日、関東の大きな都市の病院から電話があり
そちらへ入居希望の方がいる、とのこと。
うちの社長と主任相談員のRさんがそこまで面会に行くと
体つきのいい~60になったばかりのおにーさんがいた。
事情はなかなか劇的だった。
今年の春、土木作業中に大きな穴に転落した。
その際に脊髄をやられ、へそから下すべて麻痺、全く動かない。
でリハビリを必死にやって、自分一人で、腕力だけで
車いすからベッドへ移ることができるようになった。
「動かない足は重いし無用だね。」
身寄りは全くない。兄弟はみな死んでいるし、結婚もしていない。
昔、ふらっと旅行した町がよかったからそこで余生を・・と
調べ上げてうちの施設に電話した、とのことだった。
「お金なら大丈夫。労災でたんまり出るから。」
事実、たんまり出ていた・・・。
というわけで、急きょ、入居が決まり。
うちの施設で一番いい、広くて角部屋に入った。

はてさて。入居してわかったのだけど。
このおにーさん、しゃべるしゃべるしゃべるしゃべる・・・。
「俺はな、こういうのが好きで、こういうのは嫌いで、それで・・」
とにかく、「自分をわかってほしい」症候群。
一度捕まったら、50分ぐらいかかる。
そして、お金には困らない、との言葉通り。
金遣いが荒い、荒い、めちゃくちゃである。
サプリメントに月数十万、服は●越の通販しか買わず、で月数十万、
(靴下一足に5千円は・・私は出せないぞ)
テレビは50インチ(大きすぎないか?)レコーダーももちろん。
CSもBSももちろん、某映画チャンネルも。
ノートパソコン、タブレット、スマホ、ゲーム機一揃え。
あっという間に部屋が狭くなった。
他人事ながら心配になる。
不自由になった身体の吐口に買い物をしているのかもしれないが・・
「俺はいつもこうなのさ。安物はもたない。」
まだ、満足はしていない様子で、いつも通販カタログを見たり
ネットショッピングをしている。


そして、昨日、こちらも急に入居になった方。
民生委員から包括に話があり、包括からうちの施設に話が来た。
・・・もう、この時点で、普通の話ではないことがわかった。
普通のルートではないからだ。民生委員?救済話か?
またまた、うちの社長とRさんが面会に行くと。
空がよく見える屋根の下、部屋の隅っこに
その小さな白いおばあさんは布団に寝ていたそうだ。
「どうも、ごめんなさい、風呂入ってないから、臭いでしょう?」
そのおばあさんはそばに会った濡れティッシュで体をふきふき
少し涙ぐみながら言った。
息子と二人暮らしだけど、むすこも病気がちで、
それでもなんとか仕事をみつけ、月4万円で二人で暮らしている。
国民保険もかけていない、もちろん介護保険も。
払うお金がないからだ。だから、医者にも行っていない。
生活保護も申請していない。
「もう、死ぬだけの身なのにお金を国からいただくのは
もったいない。」との理由で申請していない。
ガスも電気も止められていた。
おととしに転倒してからは寝たっきり。
おむつ代を気にしてなるべく食べないよう、
飲まないように暮らしていた。

だから、面会に行ったときには、かなり危ない状態だった。
栄養的にも。そして、精神的にも、衛生的にも。
このままだと、たぶん、この冬は越せないだろう。
お金は全くない。
うちで引き取っても、支払の見込みはない。

そこまで話を聞いて、私もため息をつく。
その状態を見捨てるのは、結構つらいことだ。
「ええい、他に引き取り手が出るまでだ!」
社長は、そう言い、そして、うちにやってきた。
職員から服やタオルや毛布などの寄付を集めた。
その一つ一つにそのおばあさんは頭を下げる
「死んでいくばかりの身に有り余る・・・」
あたたかい風呂、あたたかい部屋、あたたかい料理
すべてに手を合わせ、感謝の言葉を言って拝んでいる。
「あたたかいって幸せなんですね・・・」


いろんな人に出会う。
これも縁だよなぁ、としみじみ。
人の生き方の真似はなかなかできないけれど
学ぶことはあるよなぁ・・・。



というわけで、今年もお世話になりました。
ブログを読んで下さった方々、
本当にありがとうございました。
感謝、感謝です。
いくら私が厚かましいからって、
誰一人読んで下さらなかったらきっと
何も書けないと思います。
読んで下さる方がいる、ということに
いつも感謝しております。
ありがとうございます。

来年も皆様にとって良い年でありますよう~に・・・。
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納得できない。

2013.12.13 20:20|仕事
これでいいんだろうか?と思ってしまう。
そんなことがすごく多い仕事なんだと思う。

うちの職場のベテランさんたちはそれぞれ
自分の中の「福祉とは、介護とは」という
理念のようなものがあり、
時にはすごく衝突する。
私たちは利用者さんたちを「導いていく」べきと言う人。
だから、きちんとした知識を持ち、
何が「正しく、幸せなのか」をきちんと提示していくべき、と。
もう、そうなると一種の宗教じみてくる。

私自身は、まだベテランではないので
「これが正しい!」というはっきりとした断言を避けている。
・こういう訴えがあった
・それに対して、これとこれとこれと・・2、3通りの
 対処方法が考えられる。
・ほかに対処方法があるか。
・どれがベストか。(あるいは、ベターか)
・そのベストな対処方法をどのように行うのがベストなのか
を絶えず話し合うために、
「ちょっと、時間をください、相談なのですが・・。」
といろんな人に声をかけ、小さなカンファを行うようにしている。

自分に自信がない、というのが大前提なのだけど
第一は、自分がとらえている利用者さん像とは
違った「利用者さん像」をほかの職員がもっている場合
何がベストな対処方法なのかが違ってくる場合がある。
相手は人間だ。
私が持っているAさんの印象と
別の人がもっているAさんの印象が違うのは
ある意味当然のこと。
Aさんへのベストな対応を皆で考えるのは
なかなか面白いしとても勉強になる。

といった、自分に自信のない私なのだけど
「はぁ?なんだこれは?これでいいのか?」と
誰かの対応について、疑問に思うことはあるわけで。

今日、事務所で事務仕事をしていると
おたんこなーすがある利用者さんの湯飲みを持ってきて
「●●●を入れますね、Oさん、ひどいから!」
と、かなりきつい●●●という向精神薬(水薬)をOさんの
湯飲みにびたびたと入れていた。
「どうしたの?」と聞くとおたんこなーすは怒っていて
「きょうね、Oさん、ひどいの。職員に暴言吐きまくって。
でね、あんまり、ひどい時には、ドクターから
この●●●を飲ませていい、って言われているから
入れて飲ませるの。」そう一気に言って、
「●●●、Oさんにいきますね」とほかのナースに向かって言う。
そのナースも「ドクターが言っているならいいんじゃない?」
と複雑な顔で言っていた。

え?
その、●●●って薬、確かに大人しくなるけど!
心臓に影響があるって。
前に動悸が激しくなる発作を起こした人もいたじゃない。
突然死した症例もあるはずだ。
それに、ドクターの言う「ひどい時」って
あまりにも興奮して眠れないとか
人に暴力をふるうとか
そんなときに部屋に隔離して飲ませるはずだ。
Oさんは、日ごろから、人にきついことを言う性格で
でも、確か、持病があるから、向精神薬の使用は
かなり慎重になるべきだって話が!
そう、あんたが前に私に言ったんだろ?!?!

そう言ってみたが
「だって、ひどい時はドクターが、
飲ませていいって言ったから。飲ませますね。」
そう言って、向精神薬が入った湯飲みにお茶をつぎ・・
Oさんに飲ませてしまった・・・。


Oさんは大人しくなった。
ナースはさぞご満悦だろう。
薬は効き、Oさんはろれつがよく回らず、
ぼっとすわっているのだから。
「もちろん、常用はしないわよ~
酷い時だけ。頓服としてつかうだけよ。」
おたんこなーすは満足げだった。

ドクターが言ったから?
ナース判断で向精神薬を飲ませていいのか?
それじゃまるでナースに逆らったら
薬を飲ませられる、ってこともあり得るわけで。

いつも毒を吐いていて、皆からの嫌われ者の
Oさんが、ぼっ~と椅子に座っている。
「大人しくなったね」
おたんこなーすが言う。

向精神薬使用の基準を厳しくナースに求めていきたいと思う。
全然今回の薬の使用に納得できない。
どのような状態なら使うのか。
ナースの状況判断だけで向精神薬を使われることに
なにか暴力的なことを感じる。


歯は大事

2013.12.12 17:07|雑感
歯が痛い。
左の奥歯付近。
いや、歯じゃなくて、正確には歯肉が痛い。
歯肉の奥の方が痛い。
ずっきーん、ずっきーん・・
脈打つように痛みがあって。
首の後ろのあたりを軽く手でたたくと
その部分に激痛が走る。
「いって~・・・いって~・・」

最初はそれでも、痛いところをよけて噛めば
ちょっと時間はかかったけど
普通に食事はできていた。
右の奥で噛めばいいや~なんて放っておくこと3か月。
だんだん痛みが激化してきて
歯と歯を合わせると左奥に痛みが走り・・
とうとう、食事ができなくなってしまった。
歯じゃないんだな~歯肉なんだな~・・
舌で痛い部分を触ってみると、歯肉が少し腫れているような・・・。

人間って、たかが歯一本痛いだけで
すっごく大変。

食べられなくなり、職場で愚痴ると
「すぐに歯医者行きなさいよ!!もう、仕事はいいから!!」
と社長の奥様に怒られ。
それならば、と思い。
ネットで調べあちこちの歯医者に電話し、
今すぐ診てもらえるところに行ってみた。
ネットの口コミでまあまあの評価だったし・・・
なにせ、痛いのよー!!
痛みをとってほしー!!
今すぐとってまともな食事がしたい~!!
歯医者さんお願い~!!
その勢いで初めての歯医者さんに行った。

歯医者さんで一通り見てもらうと
「うーん、歯茎が腫れてるけど、歯は大丈夫そうだね?
レントゲンとってみるから~」と言われ、
そして・・レントゲンみると・・・
「あらららららららららら~」と歯医者さんビツクリ。

その歯は、昔昔虫歯治療をしてあったもの。
虫歯になった部分を削り、神経を抜き、そこに
セメントのようなものを詰めてあったところ。
神経が抜いてあるから、痛いはずはないのだけど。
どうしてか・・その歯の歯茎部分が化膿してしまい、
そこに膿がたまっている、そうだ。
「だから、この歯茎が腫れて痛いんだね~。
セメントをとって、歯を少し削って膿を出すからね~
神経抜いてあるから、麻酔なしね。」

先生、簡単に言う。

そして、おきまりの、あの。
ちゅいーん・・・
がががががががが・・・
きゅいーん・・・
じゅじゅじゅじゅじゅじゅ・・・
ごごごごごごご・・
きゅういーん、きゅきゅきゅ~・・

ああああ、この頭蓋骨に響く音
ああああ、そりゃ、痛くないけど、
痛くないけどぉぉぉぉぉ・・・!!!

「セメント抜くね。」
「あい。」

がきっ、がきっ、ごきっ、ご、ごごごごごきっ

「とれた」
そこから針のようなもの取り出して、「刺すね~」
ぶすっ!
「ほがっほげげ」(いたっいてて、と言いたい)
「鏡もって、見てみて~うわ~すごい膿が出てきた」

見たくないのに目が行ってしまう。
どす黒い・・ブルベリージャムをもっと真っ黒にしたものが
だら~りだら~り・・・
「くっっかい・・」(くっさい、と言いたい)
しかも、すごく、臭い!!腐った血と肉の臭い。
うっは=!!
こんなきったないものが、私の口の中に入ってたなんて・・
ショック・・・。

その汚いものを出してもらい
そこに消毒薬(イソジ●を濃縮したようなもの)を詰める
「うんがっ!ほげげ~、ほげげ~」(うわ、しみる~しみる~と言いたい)
「しみるね~傷口を消毒してるからね。
じゃ、この穴、仮にふさいでおくね。また来週にちゃんとふさぐから。
化膿しないようにしっかり磨いてね。薬も出しておくから。」

てなわけで・・・
疲れ切ってとぼとぼと帰宅。

おお!歯と歯を合わせても痛みがない。
治療したところは痛い、と言うより「うずく」
うずうずうずうず~するけど、痛くはない。
おお、感動!
堅いもの(人参とかお肉とか)はまだちょっと響くけど、
ご飯は、食べられる!!
やった、うれしい~!!


日本人、ご飯が食べられないのは寂しいものです。
まだ疼いているけど
なんとか普通の食事ができる幸せを
文字通り噛みしめております。。。

川の流れのように・・・・

2013.12.08 22:55|仕事
毎回だけど、こういう記事は書きたくない。
でも、反対に書き残しておきたい姿もある。

先日、ある利用者様を見送った。
私はこの方との思い出が山のようにある。

パーキンソン病だった。
顔の筋肉の動きが悪く、口があまり開かない。
だから、とても言語不明瞭で声がとても小さい。
「あの、あの、てぃ・・てぃ・・・しゅ・・を
この、つくえに・・もって、もって、もってきて・・・。」
職員はみな、この方との話をするときは耳に神経を集中し
何がお望みなのかを想像し本人に尋ねながらケアをしていた。
それは、とても時間がかかることだった。

それなのに、歌を歌うときは大きな声がでた。
ママさんコーラスをやっていたとのことで
歌うことが大好きだった。
カラオケの時間では
「川の流れのように」と「荒城の月」が
大好きで、毎回のようにリクエストをして
少しリズムが外れていたけど、
隣の事務所にまで聞こえるぐらいの大きな声で
のびのびと歌っていた。
♪は~るこうおろうの~はなのえん~♪
今でも、耳に残っている。しっかりとした歌声。
私と二人でよく「瀬戸の花嫁」や
「ここに幸あり」を歌った。
カラオケのレクリエーションが生きがいだった。


大動脈瘤という病気が判明してからは
その動脈瘤が破裂したら・・・というひやひやの毎日だった。
ご本人も自分の病状をよくご存じだった。
高齢で手術もできず、何の手立てもないこともご存じだった。

歌を歌っていただいても大丈夫だろうか・・?
でも、あんなにカラオケを楽しみにしているのに・・。
そんな話し合いもし、
血圧や脈拍が正常範囲内ならカラオケも楽しんでいただこう
そう結論になった。
もちろん、何が正しいのかなんてわからない。
でもご本人は歌うことが大好きだった。
歌っている間のとても集中した表情を見ると、
この方から歌を取り上げることはできなかった。

血圧が異常値を示すようになり、体調不良を訴えることが多くなり
たびたび静養室に運ばれること多くなった。



ある日、私は静養室に横になっているこの方のケアに入った。
「気分はどうですか?大丈夫?」そう聞くと
「トイ、トイ、トイレに、いけない・・から、オムツを・・」
そう仰向けのまま言った。もう、動けない状態だった。
「●さんが大丈夫そうでよかった。心配しちゃったじゃないですか~。
もう、心配かけないで下さいよ~!よかった、大丈夫そうで。」
そんなことを言いながら、オムツを当てる。
「じゃ、しつれいしま~す。ちょっと、横向いてください~。」
全然大丈夫そうじゃない・・・青白いこの方の顔を見ながら。
わかっていた。
とても、とても、様態が悪いということ。
「私もちょこっとだけコーラスやってたんですよ。
歌は気持ちいいですね~。こんど、何を歌いますかね~。」
涙が出そうだった。
私は、こんなに様態が悪いこの方にこんな話しかできない。
「やっぱり瀬戸の花嫁がいいですかねー私あれ、好きですわ。
今度のカラオケレクがすっごく楽しみ~一緒に参加しましょ~」
涙が出そうだった。

あの方は、オムツをあてている私の頭をポンポンと叩いた。
「あなたは・・やさしい・・・こ・・だね・・・。
しっているよ・・あなたが・・・やさしい・・って・・。」
え?と顔を上げる。
この方は、青白い顔で笑っていた。
「しってるよ・・みんな・・しっている・・。」
青白い顔で笑っている。
「あなたは・・・やさしいこよ・・・。いいこだね・・・。」

私は、もう、何も言えなかった。
何も。何も。言えなかった。


その後、この方の血圧、脈の数値は正常範囲内になり
カラオケレクに参加した。
奇跡的な回復だった。
この方はいつになくハイテンションで
見たことがないような、楽しそうな表情で歌っていた。
私と「瀬戸の花嫁」を一緒に歌い
そのあと、「もう一曲」と言われ「川の流れのように」を
大きな声でのびのびと歌った。
♪ああ~川の流れのように~・・・♪
はしゃいでいた。私もつられて、楽しく歌っていた。


その次の朝・・朝ごはん後。
この方は喀血した。
大量に。
口を押えたタオルは真っ赤に染まった。
すぐに救急車を呼び、病院に運ばれた。
そこで止血をし一命を取り留めた。

カラオケをもう一度歌うんだ。
この方の退院の目標はそうだった。
ICUから一般病棟に移るほど、驚くほどの回復ぶりだった。
こちらも退院の準備を始めていた。
そして、明日が退院日、という時に。
もう一度大量の喀血した。

社長がお見舞いに行った。意識はあった。
「また、うちに戻って、歌ってくださいよ。」
そう社長が言うと、満面の笑みでうなずいたそうだ。
それから、4時間後だった・・・・・。


介護士なんて、泣く立場にいない。
でも、涙が出そうになる。

私はこの方が、大好きだった。


ありがとうございました。

合掌。

カニ鍋行こう~♪

2013.12.07 17:35|仕事
前回の記事の続き・・・。

いろいろと納得できないRさんは
また、”高名な”医者と電話で話したそうだ。
Bさんの現状と今後のことを。
その医者はこう説明したそうだ。
「Bさんがあの薬を中止して意識が清明になり
ちゃんとご飯が自力で食べられるようになったら
また、あの薬を少量ずつ再開してください。」

Rさんは、この話を社長とナースにぶつけてきた。
「あの先生がこの薬を再開するように言っているのよ。
Bさんは薬を止めて、かなり意識が清明になってきたわよね。
いつ、あの薬を再開するか、話し合いたいわ!」

社長をはじめ・・Bさんのケアをしている介護士みな
あの薬を再開したくはなかった。
あの薬は・・・・向精神薬としては強くて有名だった。
また、Bさんはきっと爆睡する。
食事もとらず、無理に起こして液体栄養剤を
無理に飲ませ、またぐったりと寝ることになる。
一日中、ぐったりと寝ている毎日に戻る、たぶん。
BさんのQOL(生活の質、生活上での楽しみなど)はどうなるんだ・・

社長はBさんと20年以上の付き合いだった。
「薬を飲ませて一日中寝ているBさんを見たくないな・・。
もちろん原因不明の発作を起こしたくないと思うけど・・。
でも、もう、95だ。意識がない状態よりも
自分でご飯を食べ、周りの人との交流の方が大事ではないか・・。」
皆、社長の言い分に賛成だった。

でも、Rさんは聞かない。
ご家族が薬の中止と言っても、ご家族をも必死で説得するつもりだ。
「先生がそう言っているのだから!」
RさんはBさんのためを思っているのだけど。
「もし、再開させなければ、ここの施設は利用者さんを
大切にしていないということよね。」
残念ながら、社内の人の言うことを聞かなくなっていた。
暴走している。

というわけで、Rさんをどう説得し、
あの薬を再開させないようにするかを話し合うことにした。
Rさんが仕事で外出している2時間。
会議室にナース二人、私、ペラ男君(彼は介護職歴20年以上のベテラン)
そして社長。

まずは、ご家族に電話して、ここに来ていただいて
今、元気にご飯を食べているBさんに会ってもらおう。
それから、あの薬を服用するにいたった経緯を
もう一度確認しあい、それから、薬服用後のBさんの様子を
もう一度確認しあい、それから、中止に至った経緯を話し
薬の作用、副作用についてナースから説明してもらい
それから、ご家族がどうするかを決めてもらい・・・

などと話し合っている間に
社長の奥さんが「できたよ=!」と現れた。
??
振り向くと社長の奥様が鍋を抱えて立っていた。
「カニ鍋!北海道からカニ送ってきたから、みんな、食べよう!」

と、突然のカニ鍋!!??

ああ~鍋の・・いい香りが・・・
全員昼食抜きの午後2時。
それはそれはものすごい誘惑が。
「ポン酢もゆずこしょうもあるよ。カニもどっさり。」

ゆ、ゆずこしょうもカニも大好きなんですけど・・!!
カニは去年食べていないので・・久々なんですけど・・!!
いや、春菊も好きなんですけど・・!!

と言うわけで、カニ鍋つつきながら会議続行。
「医者の言うことより、Bさんを見てほしい。
Bさんの様子をきちんとわかれば、薬を続けようと思わないよ。」
「そうだよね。ぐったりしたBさん見るとかわいそうで。」
「なによりもさ、Bさんの家、そんなに裕福じゃないから、
高名な医者にかかるのも診療代を考えて反対してたんだよ。」
「経済的なことは大きいよねー。」
「あ、ちょうおいしい。」「ポン酢かして。」「春菊嫌い。」
「食べる楽しみを奪っちゃいけないよね。」
「そうだよ。もう95だよ。食べる楽しみって大きいよ。」
鍋つつきながら皆、本音でしゃべりだす。
「白いご飯もあるよ。」「わーいおじやだ!」

会議室はカニ鍋のよい香りでいっぱいで。
そのなかでここにいるメンツは同じ考えでいるのが
心強くなってきて、楽しくなる。

鍋会議の直後に社長からBさんのご家族に電話した。
とにかく時間を見つけてBさんに会いに来てほしい・・。

私はBさん家族との話し合いに同席しなかったけど
とにかく、薬をまだ再開しないことに決まったようだ。
ご家族からの「今とてもお金がなくて、診療代だって厳しい・・。」
という話がRさんに効いたようだった。
けれど。残念ながら「まだ再開しない」状態で
Rさんはいつか薬を再開しようと思っている様子だ。
「だって、あのお医者さんと約束したんだもの。」だそうだ。

この一件以来、Rさんは少し変わってしまった。
感情的になって、人にあたることが見られるようになった。
「もう、いい。ここにはここのやり方があるんでしょ。
どうでもいい。なんでもいいわよ。」
「利用者さんから笑顔をもらうなんて間違いだからね!
なんでそんなこと言うの?私たちが利用者さんを笑顔に
するのよ。なにが、相手から元気をもらう、よ。
信じらんない!」

多分、・・想像するに、自分の思い通りにならないのが
我慢しきれないのだろう。

確かにRさんは経験も豊富で、知識も豊富だけど・・
そういう人こそ、思うようにいかなくなったときに
こんな風になってしまうんだなぁ、と。
私はRさんと距離を置くことにした。

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プロフィール

mira

Author:mira
パートの介護職のへタレおばさん。
そして
ちょっぴりヲタクが自慢。
私の知識の80パーセントは
マンガからきています♪
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